最近読んだ本

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

食と文化の謎 (岩波現代文庫)

たまにはこういうのを。
この本ここ5年くらい(イヤ、10年くらいかな?)で読んだ本の中で一番おもしろかったかもしれない。というくらい、はまった。かなりアレな内容なので、興味のない人にはみじんもおもしろさを感じられないと思うが。
ここ2,3年、食文化に対する興味があって、なんかおもしろい言及はないモノかと思って、amazon をあさってたら見つけた。基本的に「食肉」に関する内容で、宗教的なあるいは文化的な理由で、ある種の肉は食べるが、ある種の肉を食べることを禁じることがありますけど、アレには別の理由があるんですよという話。具体的には、特定の宗教で、牛肉や豚肉を食べなかったり、虫を食べる文化があったり無かったりするといった内容。一つ一つの事例に対して、明快で爽快な議論を展開する。最後には人肉にふれるけど。元来、人間は肉を求める生き物で、環境に応じて最も効率のよい方法で肉をとるんだよ、というのがこの人の主張。なんか、随所で自分と考え方が似ているのを感じた。あと、この著者、業界じゃかなり「異端」らしい。
かなり満足だったんだけど、魚肉に関する言及はなかったな。あと、他の野菜とか、穀物とか。またなんかおもしろそうなのがあったら読んでみたい。