最近読んだ本

最近は友人との間で本の貸し借りが流行っている。で、これは借りた本。投資とは何か、投資のプロはどういう風に考えて投資をしているのかを優しく説明している。話としては主に2つあって、いくらプロであっても大して勝っていないし、また勝てない理由があるという点。もう一つは、どういうことをしているのか(簡単なモデルの建て方と、具体例)。

前者の指摘がなかなか新鮮だった。大金を動かしているのが自由競争するプロ集団なので、株価に偏りがあると(実際の価値より値段が高く付いたり低く付いたり)、結局買いや売りが働いて、適正な価格に落ち着いてしまう。そのため、ほとんど適正な価格になってしまうので、期待値 0 のゲームをしていることになって、勝ったり負けたりは運次第に成っちゃうんだよということ。なるほど、いわれてみればそうだなという感じ。それで世の中成り立ってるのもなかなか不思議な感じになれます。

統計の本がそのうち流行るんじゃないかと半ば期待していたら、そのものずばりの本が売られていたので、人に薦めるために読んでみました。統計のとの字くらいは知っているつもりの私から見て、統計のとの字も知らない人は読んでみるといいですよ。ただし、後半は経済の話に飛んでしまうのが残念。検定の話でもすればいいのに。

偏差値教育という人がいますが、偏差値が間違っているのではなくて、それを正しく使えないのです

これは大学1年の頃うけた松原先生の基礎統計の授業の中で最も印象的だった一言である。統計量は正しく使いましょう。国民の平均年収が実際の感覚より大きくなる理由がこの本に書いてある。年収の分布を代表させるのに「平均」は適切ではない。そんなわけで、世の中に流布している平均○○がほとんどうさんくさく見えて来るようになります。ん、なに? 平均精度? うーん・・・。

さて、これでなにがいいたかったかと。データが違うとかねつ造だとかいわれることがありますが、じゃぁデータが正しかったら言及してる主張は正しいんですかと。