ブラジル GP

もつれにもつれて最終戦。ここ2戦の雨と運により、あれだけあった点差が一気に縮まって三つ巴。そうはいってもハミルトンが頭一つ抜けている上、今期の安定感を考えると雨でも降らなければ逆転は厳しいかなという印象もあった。しかし天気は晴れ。勝負は何が起こるかわからない、とはいうものの、何も起こらないよと心の奥では誰もが思っていたはずだ。

なんという、なんという展開! なんという最終戦! ありえない。本当に誰も予想しなかった結末。大逆転というにふさわしい、これ以上ない大逆転。

ライコネンが勝てる条件というのは、非常に厳しかった。「仮に」彼が1位になったとしても、アロンソは3位以下、ハミルトンは6位以下でなければならない。これにマッサを加えた4人で今期のトップ4をほとんどのレースで独占してきたことを、そしてハミルトンがほとんどのレースで表彰台だったことを考えると、これは非常に厳しい。いや不可能だ。「仮に」、晴れた状態でこれを実現するには、「どちらかがトラブルでも抱えるか、作戦ミスをした上で、マッサが1位ではない2位について3位をブロックする」というシナリオが実現しなければならない。しかし、そのシナリオ通りの展開が待っていた。予選はフェラーリの1,2。序盤でギア(?)にトラブルを抱えたハミルトンが後退、3ピット作戦もイマイチぴりっとせず。一方のアロンソもタイムが伸びず、前2人との差がどんどん開く。ホームで俄然奮起するマッサに食らいつき、2回目のピットでファステスト級を連発してギリギリのところで交わすシーンは圧巻。中盤のトゥルーリ、ロズベルク、クビサあたりがいいタイムで、ハミルトンにあっさり抜かれなかったのもおおきかったのではなかろうか。アロンソのタイムを見ても、マクラーレンはこの大事な最終戦で思うような仕上がりにならなかったのかもしれない。

何はともあれ、すばらしかった。終わってみれば1点差の中に3人がひしめく大混戦。あれだけ広がった得点差も、最後にはずいぶんきれいに帳尻が合うものだ。生中継だったので Live Timing を見ながら観戦してましたが、こういうギリギリのタイム差の攻防があるときに見ると、すごく白熱しますね。ライコネンがずっと 3 秒差くらい後ろを追ってて、はらはらしてるときにマッサがミスったときとか。これで今年はおしまし。来年からは社会人だなぁ。ビデオかなぁ。