今日の先生

「T 先生ははなしだすと止まりませんから」というのは、某先生の授業での言葉。まさに、その授業の3時間前に体験していたので、みんな苦笑。

昼食後、研究室にて「文字」のはなしをしていた。文字っていうのは、つまり漢字は 2000 年近く前からほぼ現在の形になっているとか、ひらがなは 1000 年くらいだよねとか、表意文字から表音文字の過渡期では、ものすごく複雑な文字を表音文字として使ってたみたいだとか、文字には呪術的な意味合いがあったとか。研究室に、各国の文字の歴史に関する本を、先輩が以前買ってきていて、それを読みながらもにゃもにゃ雑談していたわけだ。

そこに偶然先生登場。「何を読んでるわけ?」「文字の本です」「文字っていうのはなに、アルファベットとか?」「そうです、それから漢字とか、ヒンディーとか、アラビアとかそういう」「文字といえば、ハングルは・・・」

そこから韓国人の研究員の K さんに招集が係り、怒濤のハングル講座と、それの持つ意味、歴史、音、ひらがなとアルファベットとの比較、・・・。おもしろかったのは、文字は固定的ではない(つまり、中国では外来語に対して新しい字を新たに作ることがある)という指摘。日本にいると、文字種が確定的で新たに文字が生まれる様なことはないのが当たり前に思えてしまう。また、文字種に限らずそういう書き言葉が流動的になる(書き方がいろいろ定まってない)のは、インドネシアとか行くとたくさんあるんだとのこと。文字コードや文法を確定的に決められるのは、ある種の特権。

そういえば、中国の奥地の不思議な漢字を、坊さん出身の教授が解読したと。その人は、いろんな教典を丸暗記しているので、全く知らない文字で書かれた教典と思われる文書を見て、何となく類推して解読したんだそうだ。まさに、現代版ロゼッタストーン! すごい。 「・・・でも、それってまさにアライメント処理*1でできますよね」 夢もロマンもない。

*1:機械翻訳の基礎技術の一つ