言語学の本はおもしろいですね

言語学というよりは、鈴木孝夫先生の本がおもしろいのかもしれない。以前読んだことばと文化も大変よかったが、こちらの方が万人に薦められる。

著者が興味をもった言語現象と、それに関する考察という形でいくつかトピックをあげている。「ホンモノ」の言語学者の指摘というのはおもしろい物が多くて、この本では記号とことばの関係、挨拶、指示語、人称、外来語などの言語干渉の5章。特定の言語現象のみを取り上げているので、かなりマニアック。たとえば、母親が子供に説教をするときに、自分のことを「お母さんは・・・」みたいにいう現象。これは、実は英語や他の言語にも見られる現象で、ではどういうときに起こるのかなどを考察しています。特に外国語との比較もされていて、一般にありえる現象なのか、日本語特有の現象なのかなどの比較もしています。言語にちょっとでも興味のある人にはおすすめします。