Bilingual

今日の授業でおもしろい話を聞いたので紹介。

ある韓国人留学生の話なのだが、7歳までイギリスに住んでいてそのころは英語で話していたらしい。7歳で韓国に帰国し、気づいた頃には英語をしゃべれなくなったのだという。ここまではよく聞く話なのだが、彼の7歳までの記憶が全部韓国語に置き換わっていて、自分がかつて英語をしゃべっていたという記憶がそもそもないらしい。この事実も、親に聞かされて初めて知ったそうで、親もまさか全くしゃべれなくなっているとは思わなかったとか。しかも、本人曰く英語は苦手らしいのだが、発音はすごく流暢だった。

こうした事実は、脳の中にある種の言語横断的な意味構造のようなものを持っていることを支持するのだろうか。あるいは、母語の変化に伴って記憶を記述している言語が書き換わっているのだろうか。何が何だか・・・。

さらに、その人は友人が日本語を勉強しているのを見て自分もやってみようと思ったところ、わずか7日でわかるようになったらしい。そして、3ヶ月でほとんどしゃべれるようになったらしい。結局その人は発表も日本語で、標準的な留学生よりはるかに流暢に日本語を話していた。いったい何者・・・。