jPapers 〜研究者の研究者による研究者のための PDF 論文を管理するそふと

そのうち晒そうと思っていてずっと放置していたプログラム。1 日 2 日で作って、あと適当に機能追加しただけなので、多くを期待されても困りますが、世の中で PDF 管理をうたっているソフトよりは使いやすいと思います。PDF XChange Viewer と組み合わせると最強。元々はファイル追加を自動検出するソフトがなかったので作りました。道に落ちたケーキを食べてみたい方はどうぞ。

動作環境

  • Windows + .NET framework 2.0
  • 他の OS では動きません
  • Local Settings/Application Data/reader 下に設定が保存されるので、気になる人はアンインストール時に削除

動作原理

起動時に PDF をため込むディレクトリを指定してください。このディレクトリに新たに追加された .pdf を自動で一覧に追加するので、ダウンロードした PDF ファイルを一カ所にため込むだけで、jPapers を再起動させることなくリストが更新されます。基本はこれだけで、あとは適当にリストを修正したり、メモをとってください。一覧は終了時に docs.xml という名前で自動で保存されます。保存したくない状況が思い当たらないので、保存せずに終了できません。一応、docs.xml.bak という名前のバックアップはとります。

ボタンの説明

  • Save: docs.xml を保存します
  • Show pdf: 選択したファイルを開きます
  • Detect title and author: タイトルと著者名を検出しなおします(後述)
  • Search by Google scholar: タイトルを query にして Google scholar で検索します。結局あとで確認とるのだから bib を手で書いておくのは不毛です
  • Delete files: 選択したファイルを消します
  • Delete rows: 選択した行を消します(ファイルは消しません)
  • Search: title と authors から検索します(Enter で検索)
  • Tag Search: tag から検索します(Enter で検索)

使い方

見たままです。選択すると主要な要素は下の編集エリアに反映されるので、修正してください。メモもとれます。リストを直接編集もできます。tag はスペース区切りで判定されます。新しい tag は左のタグ一覧に追加されます。チェックボックスや recommend などは自由に使ってください。というか、作ったけど使ったことねぇ。

正しい使い方

FolderShare と pdftotext を組み合わせると大変幸せ。

FolderShare を使って論文ディレクトリを同期させます。基本的にディレクトリの中の .pdf を探すだけなので、これで十分。docs.xml のリロードがなぜかうまくいかないので、これは自動読み込みしません。離席している間に別のマシン経由でダウンロードする可能性のあるときは、プロセスを落としておきましょう。いずれ修正します(かもしれない)。

もうひとつ。pdftotext を用意して、Preference の Change pdftotext path... で pdfttotext のパスを指定してください。TeX 経由で作っただいたいの pdf のタイトルと著者名を自動で推定します。推定というか、最初の行と2番目の行をとるだけだなんですが、ボクが読むようなアタリの Proceedings はほとんどこれに従ってるのでほとんどこまりません。Journal は最初の行に Journal のタイトルとかが入っててうまくいかないことも多々。世の中のソフトがこの機能を実装していないのは、誠に遺憾である。ps2pdf で作られた pdf やスキャンした pdf は失敗します。手で修正してください。citeseer にあるのは ps2pdf したっぽいのが多いのでおすすめしません。

未来の仕事

おそらく実装しない機能(ぉ

・・・、なんか自虐的だなぁ。

名前の由来

もちろん iPapers のもじりです。

なんで Web アプリにしなかったの

最初そのつもりでしたが、流行りだからという理由だけで、明らかに Web アプリにするに適さないモノまで Web アプリにするという、世の中のお粗末な流れに流されたくなかった。一つだけいわせてもらいたいのは、データ共有を目的とするだけだったら FolderShare(別に WebDAV でもいいよ、なんでもいいよ)で十分であって、OS 専用の GUI の方が作る側も使う側も楽で快適でしょということです*1

今回の例の場合、PDF をアップロードする過程がどう見てもメンドクサイ。ふつうの Windows アプリケーションにすれば、単にダウンロードするだけで同期されますから。まぁ、だからといって .NET のライブラリが手放しにすばらしいモノでは決してない(というか酷い)ですし、Greasmonkey 使ってアレゲなコトしてもかまいませんけど。確かに、Web アプリにしてソーシャル論文共有とかでもなんでもいいんですが。

*1:逆にそうでなければ、世の中に何かしらの不条理が働いていることになるんですが、実際 native アプリを作るのがかなりメドイので、何かしらの不条理が働いているんですけど・・・