「日本の学生は、宗教についての知識があまりにも不足している。」
- 作者: 橋爪大三郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/05/01
- メディア: 文庫
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以前、イスラム文化の本を読んだときコメント欄でお勧めされた本。直後に買ったのだが、他の本を消費するのに時間がかかってようやく読んだ。タイトルの一文はあとがきにかかれた一文であり、著者がこの本を執筆するきっかけである。私もまさにその通りだと思っていて、適切な本を探しているのだが、この本の場合、良くも悪くも教科書的な本だなというのが私の感想。
教科書的というのは、つまり読んでいると高校の教科書を読んでいるような感覚に襲われた。もともと東工大での講義内容を本にしたとのことなので、目的は達成されているのかもしれない。具体的にいえば、事実の列挙と歴史の羅列が主で、どうも最近そういう本には飽きてしまった。ときたまそうした事実に対する著者自身のコメントがあって、そこはおもしろいんだが、そっちをメインにしてくれたらなぁといった感じ。
内容としては、世界各国の主要な宗教(具体的にはユダヤ教、イスラム教、キリスト教、仏教、儒教)に関して、その成立過程やそれぞれの教え、考え方の違い、日本人が勘違いしてそうなことなどを、浅く広くざっくり説明している。この程度の内容でも知らないことがたくさんあるので、ある程度知識は増えたかな。多分講義を直接聞いた方がおもしろいんだろうけど。